昔から“愛染さん”と呼び親しまれている。
熊本城の北側にある新堀橋を渡ってすぐ左手の、住家が立て込んだ古い街並みの中にある門を潜るとクスの木を思わせるキンモクセイの大木がそびえている。
人力車が華やかりし頃、その緑陰は車夫達の憩いの場だったそうである。
江戸初期(寛永9年)
肥後藩の藩主となった細川忠利公が小倉より宥伝和尚を招聘して開基祈祷所とした。
その後、数度の大火に見舞われたがその都度再建されており震災前の建物も西南の役で消失後に再建されたものである。
本尊は愛染明王絵図
毎年7月31日のみ開帳され、戦後すっかり廃れたが戦前までこの日には愛染祭りが催され、祭りの前夜から門前の通りには夜市が立ち並び舞台が特設されて賑わったという。
愛染明王は大日如来を本地とする明王で、外相は念怒形だが内相は敬愛と衆生をも解脱させる。
全ての人間には欲望があるが物事を貪り愛し、それに囚われ染まる心を救おうとする仏である。
また境内には弘法大師修行像、十三仏、15体目の放牛地蔵等があり、狭いながらも落ち着いた雰囲気を漂わせている。
愛染院の空撮ビデオです。